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1.普通解雇とは
解雇にはさまざまなものがありますが、これをその事由ごとに大別すると

一般には、

•① 労働者によって労務提供が適切になされない場合の解雇
•② 労働者に規律違反があった場合の解雇
•③ 使用者の経営上の必要性に基づく場合の解雇
•④ その他の場合の解雇
の4つに分けられます。

通常は、①〜③に分けますが、ここでは休職期間満了による解雇等を④その他の場合としています。

普通解雇とは、この4つの解雇事由のうち、懲戒解雇以外の、労働契約を継続し難いやむを得ない事由に基づく解雇のことをいいます。

懲戒解雇とは、②のうち重大な企業秩序違反が認められる場合に、使用者がそれを非難して懲戒処分として行う解雇(懲戒処分として最も重い処分) のことですので、 結局、普通解雇とは、①③④と②のうち 懲戒解雇とならない場合の解雇のことをいいます。

 

2.具体的な解雇事由


1)労働者によって労務提供が適切になされない場合の普通解雇事由

【労働者の労務提供の不履行(勤務成績・勤務態度不良)】
遅刻、欠勤、無断離脱、業務上のミス、行方不明等。

【労働者の労働能力の欠如・喪失(心身の故障)】
疾病、交通事故、精神的障害、不治の病等。

【労働者の適格性の欠如(非協力的で協調性の欠如)】
業務命令違反、上司の指示に違反、会社の方針に違反等。

 

2)労働者に規律違反があった場合の普通解雇事由(懲戒解雇を除く)

【経歴詐称】
最終学歴・職歴や犯罪歴の重要な詐称等。

【職務懈怠】
無断欠勤、出勤不良、遅刻過多により職場の士気に悪影響を与える場合。

【業務命令違反】
時間外労働・休日労働命令、出張命令、配転命令違反等。

【業務妨害】
違法な争議行為・勤務時間中の違法な組合活動等。

【職場規律違反】
横領、背任、窃盗、同僚や上司への暴行、会社構内での無許可の休憩時間中の集会、ビラ貼りにより実質的に職場の秩序風紀を乱す場合。

【私生活上の非行】
企業の名誉・体面・信用等を毀損する場合。

【誠実義務違反】
会社の重要な機密を漏洩、自社製品の不買運動等。

 

3)使用者の経営上の必要性にもとづく場合の普通解雇事由

【整理解雇】
事業の縮小・転換または部門の閉鎖等により労働者の雇用を継続し難い経営状態に陥った場合に人員整理を目的になす解雇。

【変更解約告知】
経営不振等により従来の労働条件を維持したままでは雇用することが困難になった場合に、従来の労働条件を解約して新たな労働条件による再雇用の申出をし、拒否すれば労働契約を解約するという
変更条件付き解雇。


4)その他の場合の解雇事由

【休職期間満了による場合】
「第○条に規定する休職期間が満了する前に休職事由が消滅しないときは、休職期間満了をもって解雇する」旨の就業規則上の規定に基づく解雇。

【定年解雇制による場合】
就業規則に「社員の定年は満60歳とし、定年の翌日をもって退職とする。ただし、会社は社員の希望があれば直ちに嘱託として再雇用する」旨の当然の再雇用制度があるのに労働者からの再雇用の申出を拒否した場合。
また、就業規則に「ただし、定年に達した者でも会社が業務上必要がある場合には、本人の健康状態を勘案しつつ嘱託として再雇用することがある」旨の条件付き再雇用制度がある場合で、特別の事情のない限り通常は労働者を必ず再雇用しているようなときに、労働者からの再雇用の申出を拒否した場合。
こうしたケースでは、定年に達したことを理由とする当然の契約の終了(退職)ではなく、解雇になるとの最高裁判決があります。

整理解雇とは、「使用者が経営不振等のために従業員数を縮減する必要に迫られたという理由により、一定数の労働者を余剰人員として解雇する場合」をいい、実務上は「事業の閉鎖、縮小など経営上やむをえない事由のあるとき」 になされる普通解雇です。

整理解雇それ自体は企業経営が悪化すれば企業の判断のみで実施することも自由です。


しかし、裁判例では、原則は使用者の自由であるとしても、それが従業員の責めに帰すべきでない事由によって一方的にその職を奪うものであり、 従業員に対して甚大な影響を及ぼすものなので、無制限にできるものではないとして、「整理解雇をするに当たっては、 労働契約上の信義則より導かれる一定の制約に服するものと解するのが相当」とされ、次の4つの要件を考慮して解雇権濫用の有無が判断されてきました。

それが、①人員削減の必要性、②解雇回避の努力、③被解雇者選定の基準、④手続の妥当性で、整理解雇の4要件といわれるものです。


したがって、使用者はこの4要件に沿った整理解雇を実施することが必要であり、これを怠ると解雇権の濫用としてその整理解雇は無効になるので、注意しなければなりません。


1.整理解雇の回避の努力

1)一般的な措置とは
① 役員報酬の不支給・減給
② 減給、賞与や昇給の停止、手当のカット、
③ 新規採用の停止やパートタイマーやアルバイト等の
  雇用期間満了による雇止
④ 残業・休日労働の削減
⑤ 配転・出向・転籍等の人事異動や一時帰休
⑥ 希望退職の募集等の努力
重要なことは、労働者の解雇による犠牲を最小限にするために、

これらの措置が具体的な状況に応じていかに適切にとられたかということです。


2.整理解雇の人選の合理性

1)裁判例で合理性が認められているもの
① 工場の秩序を乱す者
② 会社の業務に協力せざる者
③ 職務怠慢な者
④ 技術低位なる者
⑤ 事故欠勤多き者
⑥ 出勤常ならざる者
⑦ 病気による長期欠勤者
⑧ 配転困難なる者
⑨ 業務縮小のため適当な職なき者
⑩ その他経営効率に寄与する程度の低い者


3.手続の妥当性

裁判例は労働組合が整理解雇に反対し同意が得られない場合であっても、会社に人員整理の必要性があり、整理解雇基準が正当なもので、会社が労働者代表に対し経営状況、経理の内容をつぶさに公開し、具体的交渉の過程で組合の意見を求め、人員整理について同意を得るべく折衝を重ねるなど、 「組合を十分納得させるだけの誠意ある手段・方法を講じた場合には、 労働者代表が会社との協議に応じなかったり、

また、協議に応じても 会社の維持再建につき建設的な態度をとらず自己の主張を固執するなどの事情があれば組合が人員整理に同意を与えなかったことが信義則違反ないし 同意権の濫用と評価される場合がないとはいえず、かかる事情のもとでは会社は組合の同意なくして整理解雇をなしうる」と整理解雇の実施を認めています。

1.懲戒解雇するための要件

① 懲戒を行うには就業規則の定めが必要。
 

② 懲戒解雇は、懲戒の中でも最も重い処分なので、他のより軽い処分に付する余地のない場合に限って妥当性が認められる。

 

2.懲戒解雇の妥当性

懲戒解雇とは、懲戒処分の極刑として、被処分者を放逐する解雇のことです。

懲戒処分の1つである以上は、懲戒処分としての要件を満たさなければなりません。

企業が労働者を使用してその目的を達成するためには、一定の企業秩序、規律の下で労働者を働かせることが必要になります。

そして、この秩序、規律の維持・確保のために、秩序罰として懲戒処分を行うのです。

懲戒解雇は、懲戒処分の一種ですから、①罰刑法定主義、②不遡及の原則、③一事不再理の原則、④平等取扱原則、⑤適正手続の保障、⑥相当性の原則を踏まえて行うことが重要です。

懲戒解雇は、懲戒処分の中でも厳罰であるため、その妥当性が認められるには、他のより軽い処分に付する余地がない場合に限られるとされています。

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