健康、環境分野および関連するものづくり分野の事業主が、成長分野等以外の産業から労働者を、平成23年10月31日以降に移籍により受け入れ、その労働者に職業訓練を行った場合は、労働者に仕事をさせながら訓練を行うOJTも助成対象とする緩和措置が講じられました。
■概要
成長分野等人材育成支援事業(※1)を拡充し、健康、環境分野および関連するものづくり分野(以下、成長分野等)の事業主が、成長分野等以外の産業から労働者を移籍(※2)により受け入れ、その労働者に職業訓練を行なう場合は、労働者に仕事をさせながら訓練を行なうOJT(On the Job Training)も助成対象となります。
(※1)健康、環境分野および関連するものづくり分野において、期間の定めのない従業員を雇い入れ、または他の分野から配置転換し、Off-JT(Off the Job Training:通常業務を離れて行なう職業訓練)を実施した事業主に対して、訓練費用の助成を行なう制度。
(※2)移籍とは、移籍元事業主との労働契約関係を終了させて、これを完全に移籍先事業主に移行させること。移籍については、移籍元事業主と労働者の間で個別的同意が必要。
◎支給対象事業主の主な要件
1.雇用保険の適用事業主であること
2.成長分野等の事業を行なう事業主であること
3.次の(1)〜(5)のいずれにも該当する労働者を、平成23年10月31日以降に移籍により雇用保険被保険者として新規に雇い入れ、Off-JTのみ、またはOff-JTとOJTを組み合わせた職業訓練を行なう事業主であること
(1)成長分野等以外の事業を行なう移籍元事業主において1年以上雇用保険被保険者として雇用されていた労働者であること。
(2)移籍元事業主における離職日より前に移籍元事業主との間に移籍の同意がある労働者であること。
(3)移籍元事業主における離職日の翌日から起算して3か月以内に移籍先事業主に雇い入れられた労働者であること
(4)移籍先事業主における雇入れ日の前日から起算して3年前の日から雇入れ日の前日までの間のいずれかの日において、移籍先事業主において雇用保険被保険者として就労したことがないこと。
(5)以下のア〜ウいずれかに該当する場合その他の資本的、経済的、組織的関連性等からみて独立性を認めることが適当でないと判断される事業主間で行なわれる移籍により雇い入れられた者でないこと
ア.他の事業主の総株主または総社員の議決権の過半数を有する事業主を親会社、他の事業主を子会社とする場合における、親会社または子会社であること
イ.ア以外で総株主または総社員の議決権の保有状況等からみて、密接な関係にあると認められる事業主であること
ウ.取締役会の構成員について、代表取締役が同一人物であること、または取締役を兼務しているものがいずれかの取締役会の過半数を占めていること
4.対象労働者の移籍について、移籍元事業主と合意が成立している事業主であること
◎支給額
1.Off-JTについては、事業主が負担した訓練費用
2. OJTについては、対象労働者1人につき1時間当たり600円を助成。
職業訓練1コース当たりの上限は合計20万円(※)、1人当たり3コースまで助成対象。
※大学院をOff-JTで利用した場合には、50万円を上限。
◎支給対象となる職業訓練計画・職業訓練コース
職業訓練コースとは、訓練目標ごとに設定される一連のカリキュラムのことです。奨励金の支給を受けるには、1つ以上のコースから成る職業訓練計画を作成する必要があります。職業訓練計画は、以下の要件を満たすことが必要です。
1.成長分野等の業務に関する訓練であること
2.1コースの訓練時間が10時間以上であること
(助成対象の上限は、対象労働者1人当たり3コース)
3.職業訓練計画の実施期間が、原則1年であること
(ただし、必要な時間数が確保される場合には、6カ月以上)
●OJTによる職業訓練を行なう場合、以下の要件を満たすことが必要です。
(1)対象労働者の職業訓練計画全体を通じて少なくとも1コースにはOff-JTによる訓練が含まれていること
(2)専門的な知識、技能を有する指導員・講師により行われるものであること
(3)OJTによる職業訓練の時間数が、訓練計画全体の総時間数の9割以下であること
●対象労働者に訓練コースの総訓練時間の8割以上を受講させることが必要です。
詳しくは下記参照先をご覧ください。
参照ホームページ[厚生労働省]